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【関西】第19回 新現役宣言フォーラム in 関西「嶌信彦氏を迎えて」

 

日本人の覚悟 大動乱時代を超える
嶌信彦氏(国際ジャーナリスト)

 

 新現役ネットの2013年のラストイベント「新現役宣言フォーラムin関西」が、昨年12月18日に大阪市内の「國民曾館」で開催されました。ゲストは、フリージャーナリストの嶌信彦氏、お相手は残間里江子新現役ネット理事が務めました。当日は、あいにくの雨模様でしたが、熱心な参加者とともに大変に充実した講演会となりました。
 司会は、関西エリアスタッフ代表の遠家須磨子氏。新現役ネットの矢野事務局長が本年締めくくりのご挨拶を申し上げたあと、「日本人の覚悟 大動乱時代を超える」と題した嶌氏の講演が行われました。その概要は以下のとおりです。

 この1~2年、世界各国で政権交代が相次ぎ、「今日は昨日の続きではない」混乱時代に突入した。日本でも、1990年代に君臨したメガバンクが全てなくなるなど、2000年以降は大混乱時代に入り、バブル後の失われた20年を経て、日本人は自信や誇りを喪失してしまったように思える。現在は「第三の国難」時代ではないか。
 我が国の「第一の国難」は幕末・明治維新のころ。近代国家を築く過程で、「覚悟」をもって尽力した志士達の多くが、その完成を見ることなく、若くして亡くなった。坂本龍馬31歳、吉田松陰29歳など。「第二の国難」にあたるのは敗戦直後。1945~1951年まで独立国ではなくGHQの占領下だった。また指導者層がことごとく追放された中で、日本復興の第一線を担ったのは20~40歳代の人々。ソニー・シャープ・パナソニックの創業者達は、みな覚悟を持って市場を切り拓いていった。
 「愚者は前例に学び、賢者は歴史に学ぶ」。いま我々はこうした先人の足跡に学ぶべき。
 一世紀以上存続している日本の中小企業は2万7千社もある。これひとつを見ても、日本の底力、日本人の資質は十分。ただ今後の人口減少などから見て、かつてのような経済大国の復興や政治・軍事大国への道はありえない。日本が目指すべきは「国柄の良い国」。清潔・安心安全・健康・教育や自然環境、技術、文化、歴史など、日本にはよい基盤があり、日本人の資質の良さは、3・11大震災の際の多くの感動的なエピソードが物語る通り。技術力などすぐれた「点」の力を、「線」や「立体」にかえていく構想力の向上が、これからの日本の課題であろう。
 シニアは、こうしたすぐれた日本と日本人の資質を次世代に伝える存在となるべきだ。またシニアは、「知人」ではなく「友人」を数多く持とう。そして友人から「親友」(信友・真友・深友・心友…)を作り、気持ちのこもったネットワークを築いていこう。